まぶたを閉ざして眠るお人形の、薄っぺたい腹部にきちんと組まれた両手の、絡み合う指の付け根にできる溝をなぞって、細く長く白い指が往復する。半分ヒトでない少女の手は、当然半分ヒトを構成する細胞ではできてない。あたたかい、しろい皮膚のしたを流れる赤くない血。
 男の指の腹が少女の手をいき、かえり、辿る。ひそやかにながく。愛撫のように。
 赤くない血の色は、ならば何色だろうか?
 男の血は色を持つだろうか?
 彼のお人形はきっと夢など見ない。







隠された祈りを探した
お題:ジェナロ
20110221
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