ザックスの、誰の何に対しても隠れるようなところも隠すようなところも一つもない、といった態度はとても好ましいと思う。あんまりあっけらかんとして、神羅とかソルジャーとか古代種とかセトラとか、普通とか、ほとほとばかばかしいものみたいに思えそうになる。 「え?」 ええ? 聞こえなかったの? とザックスは大げさに戸惑ってみせた。困ったなあと首をひねって腕を組んで、解いて、指を一本ぴんと空に伸ばしてエアリスに突きつける。もっぺん言うから、よく聞いといて。 「あのな、エアリス……」 耳が指がこころがむずむずしてどきどきしていっそ何もかも止まってしまいそうな、この瞬間はだってこんなにも特別なのに。
言葉のいみ
お題:spoon 20110205 |