うずくまって丸まる背中を抱きしめてあげられたら、ひっぱたいてあげられたら、押してあげられたら、寄り添ってあげられたら。どれか一つでも叶うならと思う。
 キエサルヒマの大陸さえ飛び出して、世界最強、最恐の彼の小さな背中。黒ずくめの布地のしたにうっすら浮き上がる背骨のかたち……
「どうした」
「ううん」
 反対に反らした背中を沿うように合わせて、ちょうど肩口に頭を預ける。ばっさり切り落としてから伸ばし続けの毛先が首筋をくすぐるのに、ついつい笑ってしまった。背中合わせの彼はあきれたかもしれない。
 ずっとパートナーであると決めたのだ。







だって世界一よわい
お題:joy
20111031
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