好きです、と告げると、彼はぱちくりと大仰に(本人にとっては自然なのだろうが、何せ彼の目は猫のようにいたずらなので)瞬きをしてみせて、それからほっこりほほえんだ。とても嬉しそうで、もしかしたら驚いたり照れたりするんじゃないかなんて予想はあっさり裏切られる。
「ありがとう。僕も君が好きだ」
 そんな言葉がどんな刃より痛い。







あなたの残酷
20120410
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